マドリードに生まれ、パリで活躍し、 ソル (1778-1839) とも親しかったといわれる ディオニシオ・アグアド (1784-1849) による、ピアノにも負けないくらい音の密度の高い、奏くには きわめて難しく、聴くには その分面白い曲だと思います。イ短調、4分の2拍子。 最初に ロンド主題の前半8小節の繰り返しが、続いて 後半8小節の繰り返しがあって、その後 音程の高低幅、3連音 などの音の細かさ、速さなど、プロでも奏きこなすには相当難しい展開が続きますが、それら発想の豊かさもあって、聴く側には わくわくとした感興がもたらされるように思います。YouTube には ジュリアン・ブリーム (1933- ) の古い演奏が載っていましたが、しっかりとした技量は さすが! の感がしますし、さらに右手で弾く弦の音色の変化は素晴らしいものでした。