バッハ、ヘンデルなどから ハイドン、モーツァルトなどへ移行する時代を生きた ルイ=クロード・ダカン (1694-1772) の、バロック時代の雰囲気を感じさせる作品です。 (ダカンは パリの音楽家・楽器製造家の一族に生まれ、6才で ルイ14世への御前演奏を行なったそうです。)イ短調、4分の2拍子。 曲の構成は、A,A', B,C, A,A', D,E, A,A'。 鍵盤の原曲を、高音で細かい動きを担当する 1st Guitarと それを低音で支える 2nd Guitar に分けたもので、いずれも ほぼ単音で進行します。 そして カッコーの鳴き声を思わせる低音の音型が冒頭から聞こえ、また途中 C の所では 1stの ハーモニックス による高音で現れます。"カッコー" というと、私などは先ず ヨナッソンの 「カッコー・ワルツ」 とか、J.シュトラウスの 「クラップフェンの森で」 (参照: YouTube) のような、高原での のどかで心安らぐ情景を思い浮かべますが、この曲は短調で、また バロック時代にはこうした印象の曲が多く、この曲は現代の我々にはそうした時代の雰囲気を味わうものといった感じがします。