亡き王女のためのパヴァーヌ (ラヴェル作曲)
Pavane pour une infante defunte (Ravel)
この曲は ラヴェル (1875〜1937) が パリ音楽院在学中の 24才の時に ピアノ曲として書いたものを、後に本人が オーケストラ用に編曲したもので、 専門家の批判 とは裏腹に 当時からかなり人気があったようで、日本でも彼の代表作のひとつとして良く知られてきていますが、特に最近 テレビの ドラマの バックなどに流れる機会が多くなっているような気がしますし、マンドリンの演奏会で取り上げられることも増えているように思います。題名も曲想も作曲者が作り上げた イメージだそうで、"王女" が誰で、また何かゆかりがあるということではないそうで、場面設定としては、私自身、昔 テレビで、古城の一室の棺の周りで一人の女性がいたましそうな顔で踊っていた バレエを見たことがありますが、自然な解釈としては そういったものだと思います。"パヴァーヌ" とは スペインを起源とする宮廷舞曲で、3部形式 のこの曲には 単に "荘重"、"典雅" というだけでなく、"哀しみ" というか "いたましさ" といった情感が "甘美さ" を伴って昂じてくるといった独特の雰囲気がありますね。この曲の CDの私のお奨めは アンドレ・クリュイタンス指揮の パリ音楽院管弦楽団の演奏で、他の ラヴェルの管弦楽曲と同様、フランスらしい美観のある演奏だと思います。
この曲の MIDIデータ作成に関しては、音符の入力は意外に楽だったものの、テンポや各パートの ヴォリューム設定などで難航しました。 ...何回設定し直しても サマにならず、一時は "王女様の亡霊" (?!) に取りつかれたような気分にもなったくらいです (-_-;)。 この曲では 私が普段は 凝りすぎない よう ほとんどいじらないようにしている トラック・ヴォリュームも操作していますが、多少は聴けるものになったか、心配です。