Julia Florida

 

フリア・フロリーダ (バリオス作曲)

Julia Florida  (Barrios)

(ギターソロ、4'01"、MP3 : 3.7MB)

  パラグアイ生れの ギターリスト: アグスティン・ピオ・バリオス (1885-1944) の 1938年作曲の魅力的な作品。 題名の "フリア" は バリオスが一目ぼれしたといわれる女性の名で、"フロリーダ" は "花盛り"。 いわば "花盛り あるいは 女盛りのフリア"  という意味ですが、曲の雰囲気から "美しい女性との甘い追憶" といった印象を受けます。
 
  曲の内容は ニ長調、8分の6拍子で、A,B,B,C,A' の構成。 題名には カッコ書きで "舟唄 (Barcarola)" とあります。 南国らしいゆったりとした、しかし甘く切ない雰囲気をもった作品だと思います。 特に冒頭の旋律、そして気持ちが高ぶっては萎えたような、また、急いてはためらうような様子が印象的です。 ...それから同じ南米の ヴィラ=ロボスの 「ショールス 第1番」 を Upした時もそうでしたが、こうした曲が入ると、この サイトに何か新しい風が吹き込んできたような気がします。 なおこの曲では ハ−モニックス が多用されていますが、それはここでは MIDI上の楽器の "25:ナイロン・ギター" と "108:琴" を混ぜ合わせた音にしました。
 
  ところで、この曲の楽譜からの転記は1時間位。 それに対してその後の演奏設定は、述べ 10時間以上かかりました。 この曲を知らなかった私は、ある方に Net上のこの曲の演奏者不明の演奏を紹介いただいて魅了され、すぐ楽譜を買ったものの、その楽譜には表情記号や テンポの指定などがほとんどなく、結局その演奏を参考に色々いじってはみたものの、なかなか サマにならず、苦労しました。 そうした参考になる演奏がなかったら、多分全く平板な演奏になっていたでしょうし、その前に楽譜を持っていたとしても作っていなかったでしょう。
 
 なお バリオスの曲では 他に ワルツ 第3番 と 「大聖堂」 を、そして似たような印象を残す曲としては ドビュッシーの 「亜麻色の髪の乙女」 を、さらに "美しい女性" という意味合いでは だいぶ趣は異なりますが メキシコ音楽 (コルテス作曲) の 「シェリト・リンド」 も Upしてありますので、それらもお聴きください。