ゴンドラの唄

ヴェネチアにて
 

ゴンドラの唄 (中山晋平 作曲)

Gondora no Uta (Nakayama)

(マンドリン・アンサンブル (Mandoln1.2,Mandola,Guitar)、2'47"、MP3 : 2.6MB)
(写真は ヴェネチアにて)

 1. いのち短し 恋せよ乙女、 あかき唇 褪 (あ) せぬ間に、
熱き血潮の 冷えぬ間に、明日の月日は ないものを。
2. いのち短し 恋せよ乙女、いざ手をとりて 彼の舟に、
いざ燃ゆる頬を 君が頬に、ここには誰も 来ぬものを。
3. いのち短し 恋せよ乙女、波にただよう 舟のよに、
君が柔わ手を 我が肩に、ここには人目も ないものを。
4. いのち短し 恋せよ乙女、黒髪の色 褪せぬ間に、
心のほのお 消えぬ間に、今日はふたたび 来ぬものを。

  1915 (大正4) 年に公演された、ツルゲーネフの戯曲: 「その前夜」 を原作とした同名の演劇の劇中歌として、ヴェネチアで恋人同士が船を待っている場面で歌われた歌だそうです。 作詞は 劇作家の 吉井勇 (1886-1960)、作曲は 「証城寺の狸囃子」、「てるてる坊主」 や 「船頭小唄」 、「カチューシャの唄」 などで良く知られた 中山晋平 (1887-1952)
 
  8分の6拍子、イ長調。 ...この歌詞は アンデルセンの 「即興詩人」 にある舟歌の内容が反映しているそうです。 ...いかにも切々とした青春の歌といった印象で、これも "大正ロマン" の顕れのひとつかとも思われる歌で、 年輩の人にはよく歌ったという方も多いのではないでしょうか。 (私自身の経験では、男子中学校時代の夏の合宿の間、この歌ばかり歌っていた同級生を思い出しますが、今ではまずこうした歌を歌う若者はいないでしょうね。)
 
  それから、この歌を黒澤明の 「生きる」 の映画の中で志村喬が、また かつての紅白歌合戦で森繁久彌が、歌っていたことを覚えておられる方も多いと思いますが、これら "おじさん" (?) の歌には、ペーソス感が人を引きつけるものがありますね。
 
 なお当サイトには、ゴンドラ関連では 「ホフマンの舟歌」、「ゴンドリエの唄」、また 日本の唱歌 の関連では 「真白き富士の嶺」 なども Upしてありますので、お聴きください。