Variazioni su un Tema di Haydn

 
ウィーン : ホ−フブルク (王宮) ミヒャエル門
 

ハイドンの主題による変奏曲 (ラニエリ作曲)

Variazioni su un Tema di Haydn (Ranieri)

(無伴奏マンドリン・ソロ、5'50"、MP3 : 5.4MB)
(写真は ウィーン : ホ−フブルク (王宮) ミヒャエル門の ドーム)

  ラニエリ (1882-1956) による、ハイドン (1732-1809) の有名な 「皇帝」 を主題にした無伴奏の マンドリン・ソロ曲です。 「皇帝」 は、厳密な言い方をするなら "弦楽4重奏曲 第77番 ハ長調 作品 76の3 「皇帝」" で、この主題はその第2楽章の主題です。
 
  曲は原曲の第2楽章と同じ ト長調で、静かで厳かな主題が提示され、その後 第1変奏では スタッカート の 8分音符の主題に 16分音符がからまっていき、第2変奏では トレモロ の主題をやはり トレモロの低音がからみます。 そして最後の第3変奏では主題の旋律はだいぶ デフォルメされて、和音、分散和音 による技巧的な展開となります。
 
  そもそも 「皇帝」 の名は ハイドンが作った オーストリア国歌である 「皇帝賛歌」 がこの主題であるところから名づけられたもので、1918年まで同国の国歌として使われていましたが、今では東西統一成った ドイツの国歌として歌われているものです。
 
  折りしも間もなく ワ−ルドカップ・サッカー大会が ドイツで開催されますが、オーストリア国歌であった曲が ドイツ国歌となった経緯などを探るのも興味深いものがあると思います。 (2006.5.25. 記)
 
   なお余分なことですが、...「ハイドンの主題による変奏曲」 と言えば ブラームスの有名な同名の管弦楽曲がありますが、そちらは ハイドンの 「管楽器のための ディベルティメント」 の第2楽章から主題をとったもので、その主題自体は ハイドン作のものではないそうです。