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 2011年 7月 〜 12月 の 今月のひと言 .

 ベルリン・フィル、佐渡裕  2011年 7月 1日

 指揮者の佐渡裕が、"ベルリン・フィルを指揮する" という子供の頃からの念願を、50歳にしてこの 5月20日に遂に果たしたということもあって、この 6月の テレビでは ベルリン・フィルの演奏を聴くことが特に多かったようです。 オーケストラ

 同氏は、この時に指揮した ショスタコーヴィチの 交響曲第5番の最後ではほとんで感涙の泣き顔で、終わってから 「いやー、凄かった」 と、ベルリン・フィルに圧倒されたような発言をしていましたが、見ている我々もそれを共感をもって実感させられました。

 近年、ニューイヤー・コンサートの隆盛などもあって ウィーン・フィルの方が多く聞こえてきていたようで、一方で ベルリン・フィルの方は カラヤン亡き後、ウィーン・フィルの影に隠れてしまっていたような気もしないではありませんが、一介の素人で特に ベルリン・フィルに詳しいわけでもない私でも あらためて "あの ベルリン・フィルの音は依然健在だ" と感じました。

 今回の同氏の デビューは NHKと TBSが同時に密着取材していて、それらを見ても、そして結果としての演奏の出来も良かっただけに、私などこの件を素直に喜んでいいことだと思いますが、「日本人がこの楽団を指揮した例は少なくないのに マスコミが騒ぐなどどうかしている」 といった論も目につきました。

 どの世界にもこうした冷や水をかける人はいるもので、純粋に音楽だけを論じる冷静な見方も もちろん大事ですが、普段の気さくな庶民性といったものが一般人の支持を集めている同氏の ベルリン・フィル・デビューが、小澤征爾の ウィーン国立歌劇場の音楽監督就任、そして ニューイヤー・コンサート・デビュー の時のように、多くの人達に他人事ではない見守られ方をしている共感性といったものも大事ではないかと、私などは思います。

 セッション同期  2011年 8月 1日

 大震災、原発トラブル、そして円高、政治の混迷、等々、打ちひしがれた感もただよう中で、なでしこジャパンの女子W杯サッカー: ドイツ大会での金メダル獲得は何より我々を勇気づける快挙でした。 ペナルティ・キック戦までもつれ込んだ生中継に ふとんの中から歓声を挙げた人も多かったはずです。

 "生中継" といえば、最近、インターネットを通じて遠く離れた人と生中継で合奏ができる、 ...これまで普段楽器を持って集まって合奏していた メンバーが、各々自分の家の中で楽器を取り出し、パソコン画面に専用ソフトを立ち上げ、画面に映る誰かの指揮を見ながら、あるいは誰かの 「せぇのっ!」 の合図で皆の演奏が始まる、...想像すればこんな感じでしょうか。 確か 5年位前に、年末の紅白歌合戦の時に小澤征爾が イタリアだったかで指揮して日本の紅白の会場 (NHKホール) でもそれに合わせて歌っていたという、"画期的な場面" (?) を見たことがありますが、言うなればそれと同じことが我々一般人の レベルででもできるようになったということでしょう。

 既に スカイプのような テレビ電話は今当たり前になっていますが、セッション (合奏) では自分が発する音と画面の向こう側の人の発する音が同時でなければ、つまり同期されなければ使い物にならない分けですが、最近できた ソフト "NETDUETTO" では相手の音の遅延は 約30ミリ秒で、これは空間的な距離に当てはめると 約10メートル離れた場所から音を聞いているのと同じで、十分 セッション可能とのことです。

 IT技術の進展で、例えば マンドリン・アンサンブルを楽しむ図式なども "ついにここまで来たか" といった、ある意味で夢の実現ではあります。 思い立った時に友人に声をかけ、互いに即手元の楽器を取り出して合奏する、などということを一度は試してみたいものだとは思います。...が、私自身が使用した場合の想像では、多分珍しく思っている何回かは面白がって合奏しても、それに飽きたら終わり、という種類の物ではないかという気がします。

 MIDIで作った音楽を Upしている者が言うのは口はばったいことですが、相手の音は リアルタイムではあっても ナマの音ではなく、生身の人間が隣に座って互いに気配を感じながら合わせようとする、つまり "呼吸を合わせる"、あるいは "同じ息を吸う" ことに最大の (と言っても良い) 価値がある合奏には "場の違い" は物足りなさが残るのではないかと思います。

 サッカーなどの試合中のような一方的に送られてくる映像では気になりませんが、インタビューなど海外の現地との会話で互いの発言と聞き取りに タイムラグがあるために話がちぐはぐになる場合など、見ているこちらの方が気をもむようなことが ままありますが、ここまでこうした同期の技術が進展してきているなら、むしろこうした ちぐはぐの方が解消されていて然るべきと思いますが、...。

15周年時 HP (クリックで拡大)

 "ひと言" 15年  2011年 9月 1日

 当HPは この 9月5日で 開設以来 15周年を迎えます。 これまで ご訪問いただいた方々、感想やご意見などをいただいた方々、また リンクを張っていただいた方々など、ご支援いただいた方々に 心より御礼申し上げます。 ほぼ 3週間に 1曲のペースとはいえ、私自身 数年で "店じまい (?)" かと思っていた当初の予想に反してここまで続いてきているのは、ひとえにこれらのご支援の賜物に他なりません。

 開設当初から設けていたこの "今月のひと言" 欄も当然ながら 15周年。 初期の "ひと言" をご覧になってお分かりのように、当初はほんの数行の、将に "ひと言" だったものが、年を追うごとに文字数も増え、内容も我ながら理屈っぽくなってきてしまっているようです。

  "ひと言" 欄の当初の意図は、そもそもは 自己紹介的な補足や専門用語などの説明、そして MIDIの制約などからくる演奏の不出来の言い訳 (^^ゞ など、個々の演奏頁には書きにくいことを言い足すことが目的でしたが、その後 用語解説は別頁に設けましたし、MIDIソフトも発達して演奏面の言い訳もできにくくなり、その分、我ながら余計なこと (?) を書く傾向が増してきたようです。

 そういう分けで今後とも内容的には、なるべく掲載内容や世相に関連した音楽、MIDIや IT技術について、しかも当HPの性格から なるべく ポジティブな雰囲気を心がけ、続けていければ、と思っています。 ... そうそう、そして "なるべく短く簡潔に、言い訳がましくなく" も心がけなくっちゃ、です (^_^;)。 <参考: 右の写真は今日現在の トップ頁 (クリックで 拡大して見れます)>

 MP3への統一  2011年 10月 1日

 先月中旬、当HPの各曲の ページ上で聞こえる演奏の音を全て MP3 に統一しました。 当サイトを訪問していただく方々にはその意義はあまり感じられないことかと思いますが、実は私にとっては 15年来の悲願とでもいうべき エポックではあります。

 15年前の当サイト開設時には MP3 はまだなく、MIDI版の頁 (MIDIデータを直接聴くように設定してある頁) のみで スタートしましたが、 MIDI は元々 パソコン依存 (厳密には聴かれる側の パソコンにセットされている MIDI音源 依存) のため、マンドリンが カサカサ音、ギターが ポチポチ音などといった聞こえ方をしていた方も少なくなく、私にととっては、演奏の出来の良し悪しで聴く気にならないのは作者の実力で仕方がないし当然として、聴かれる方の パソコンの音源の良し悪しで聴いてもらえないとしたら残念、という状態にありました。

   その後、MP3 が普及し始めたことから、7年位前、一部の曲について、私が ヤマハの XG音源 で鳴らした音を MP3形式で録音したもの (MP3版)を載せるようにし始めましたが、MP3 は圧縮録音とはいえ データ・サイズは MIDI の何十倍〜百倍以上も多く、今でも別料金を払っても最大 1GBしかない プロバイダー側の ホームページ・スペース では、これまで全ての曲を MP3で載せるのは不可能で、結局 苦肉の策としての MP3版の頁と MIDI版の頁との混載状態が長く続いてきました。 その間、スペース拡大のために、外部の ホームページ・スペースを探したりして、色々試行錯誤も続きましたが、この 9月になってやっと良い "空き地" が見つかり、全ての曲データを MP3に統一して載せられるようになったという次第です。

 優秀な ヤマハの XG音源も "最もベター" とは言えても 必ずしも "ベスト" ではなく、しかも既に販売終了となっており、この状態がいつまで続けられるかの不安もある一方で、今後さらに良い音源を使って、より リアルな音による リアルな演奏にしていきたいものだと思っております。

 ...そう思うと、Microsoft社がもっと音楽センスのある ソフト音源 を出してくれていたら、そもそも MP3の必要もなく、多分にこうした苦労もなかったでしょうと思います。 考えてみれば、私の "15年来の悲願" というのも、"当サイトの MIDI版の演奏を Windows標準搭載の音源では聴いてもらわないようにする" ということにあったということだったのですから。

 (参考記述: 「今月のひと言」 '96.10.1. 「評判」'96.12.1. 「私と MIDI」'01.5.1. 「マンドリンの本当の音」'03.3.1. 「音の源」'04.1.1. 「音源対策」'05.1.1. 「MP3録音」'07.4.1. 「路線変更」'07.8.4. 「MP3化」

 スティーブ・ジョブス  2011年 11月 1日

 スティーブ・ジョブスが この 10月5日に 56才で亡くなった ニュースは新聞・テレビでも トップで報じられ、アップル・ストアの前には献花が積まれるなど、あらためて彼の功績の偉大さを認識させられました。 Apple製品では 我が夫婦が各々持っている iPod しか使っていない私でも かねがね彼の凄さには驚嘆していましたし、今、過去から未来を通じて二人と出ないであろう惜しい人を亡くしたとの思いがします。

 そもそも 20年位前の 可愛い Macintosh、そして夢のある スケルトンの iMac、さらに iPod、iPad、iPhone、...どれを見ても部屋に置いてあるだけでも なまじの絵や置物を凌ぐ インテリアになり、またそれ以上に使い勝手の見事さ、洗練された画面、いずれをとっても Windows の数倍は優れていると言えるように思います。 私自身、Apple派の私の息子の結婚前当時に Mac Cube が我が家にあった時など、その パソコンの付近だけ別世界のような気もしたものです。

   "会社では Win、家では Mac" などと両方を使いこなせる器用さと余力のなかった私としては、何かと ブツブツと文句をいいながら今でも Windows の方だけを使い続けていますが、それも Mac がこの世になかったなら パソコンという機械の 使い勝手や デザイン・センスは せいぜいこんな程度のものと思って、それほどの不満もなかったのではないかと思います。

 Apple社の取締役会は 「スティーブの才気、情熱、行動力は、私たち全ての人生を豊かにし、向上させてきた無数の イノベーションの原点だった。」 との追悼の コメントを発表しましたが、今、その Apple社は、早くも外部から 彼の意志や センスを維持・向上し続けられるかが問われ始めているようです。 普段 Appleを使っていない我々としては、むしろ他社の方こそ ハ−ド・ソフト両面で 今以上にこうした面で サプライズを起こして行ってほしものだと思います。

 ダウンロード方法  2011年 12月 1日

 この 11月の中旬に 曲の ダウンロード (DL) 方法の変更作業に着手しました。 年内には全ての曲について この新DL方式へ変更する予定でおります。 DL についての具体的なことは "私の流儀" の中の "ダウンロード" に書きましたが、またこの際 DL用の ファイルを MP3版と MIDI版の両方が入った ひとつの ZIP形式のファイル (圧縮ファイル) としました。

 以前は 曲が鳴っている演奏パネルの上で マウスを クリックすれば DL できたものが、3・4年前から それができなくなり (関連記述)、私の方で全曲に亘って Windows Live 上に同じ ファイルをもうひとつづつ アップロードしておき、そちらへアクセスして DL していただくという、私としては手間のかかる二元管理の形態を採ってきました。

 さらにここへきて、Windows Live へ アクセスしていただくためには、無料とはいえ会員登録をしていただくことがことが必要で、それをしたくない方は DL できないということになってしまったために、当サイトとしては対抗策として 今後 Windows Live の使用を止めることとし、DL用の ファイルも 最近 MP3へ統一 するために確保した HPスペースへ移し、そちらから DL していただくようにしたものです (もちろん、DL していただく方には、従来通り これらのことを意識していただく必要はありません)。

   また Windows Live への アクセスなしで DL しようとすると、Quick Time は DL できる版は有料であり、 Media Player は演奏中にもかかわらず二重に Media Player が起動してしまうので、それらを防ぐために DL用ファイルは敢えて そういうことにならない ZIP形式に変更し、さらにこの際、複数の ファイルを ひとつの ファイルに纏められるこの形式の メリットを生かし、MP3版も MIDI版もひとつの ZIP に納めたという次第です。

 ここで ひと言、...多分 Microsoft社の囲い込み戦略でしょうが、この DL方法 ひとつとってみても、近年、こちらは企業側のそうした策に翻弄され続けです (-_-)。 しかも時代が経つにつれ、手間や金までかけされられてきており、この傾向が続くととなると、いずれ遠からず 今回の当サイトでの Windows Live からの離脱に限らず、ユーザー達からの幅広い離脱現象も起きるやもしれません。



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