落 葉 松

軽井沢
 

落 葉 松 (からまつ)  (池宮 英夫 作曲)

Karamatsu (Ikemiya)

(マンドリン・アンサンブル (Mandoln1.2,Mandola,Guitar)、3'27"、MP3 : 3.2MB)
(写真は 軽井沢にて)

    1. から松の 林を過ぎて、から松を しみじみと見き、
から松は さびしかりけり、旅行くは さびしかりけり。
    2. から松の 林を出でて、から松の 林に入りぬ、
から松の 林に入りて、また細く 道は続けり。
    3. から松の 林の奥も、わが通る 道はありけり、
霧雨の かかる道なり、山風の かよう道なり。
    4. から松の 林の道は、われのみか 人も通いぬ、
ほそぼそと 通う道なり、さびさびと いそぐ道なり。
    5. から松の 林を過ぎて、ゆえ知らず 歩みひそめつ、
から松は さびしかりけり、から松と 囁きにけり。
    6. から松の 林を出でて、浅間峯に けぶり立つ見ゆ、
浅間峯に けぶり立つ見ゆ、から松の またその上に。
    7. から松の 林の雨は、さびしけど いよよ静けし、
かんこ鳥 鳴けるのみなる、から松の 濡るるのみなる。
    8. 世の中よ あわれなりけり、常なけど うれしかりけり、
山川に 山川の音、から松に から松の風。

 北原白秋 (1885-1942) 作詞のこの詩には 山田耕作、井上武士、後藤惣一郎などが曲をつけていますが、この演奏はそれらとは別に 池宮英夫が曲をつけたものです。 ト長調、4分の3拍子。
 
 この詩は 1921 (大正10) 年に軽井沢で作られたそうで、あの辺りの情景と オーバーラップさせた寂寥感と "あわれなりけりにして うれしかりけり" の感慨に満ちたものだと思います。 ...なお、中軽井沢の星野温泉の入り口に白秋のこの詩の碑があります。
 
 なお当サイトには 「木の葉のお船」 など 他にも 池宮作曲の歌 を Upしてありますので、お聴きください。