ドビュッシー (1862-1918) の 1890年の作品。 「ベルガマスク組曲」 の中の第3曲で、印象派の先駆となった、ピアノ曲の中でも珠玉の名曲として誉れの高い、皆さん良くご存知の曲です。
変ニ長調、8分の9拍子。 冒頭から 月の光を暗示するような、あるいはそれを受けて物思いするような和音が出て、
ピアニッシモ で密やかな感じで反復された後、光が心の揺らぎとともに波打っているような
アルペジオ (分散和音) が次第に嵩じて、やがてまた冒頭の和音となって、心静かに終わります。
月光の下で一人悶々と、あるいは恍惚と物思いに耽っている、あるいは月光そのものがそうした雰囲気をかもし出しているといった様を髣髴とさせる、やはり名曲中の名曲ですね。
なお当サイトには ドビュッシーの作品では、同じ ピアノ曲では 「
亜麻色の髪の乙女」、そして管弦楽の 「
牧神の午後への前奏曲」、マンドリンと ピアノによる演奏の 「
小舟にて」 もありますので、そちらもお聴きください。 また当サイトには ベートーヴェンの有名な ピアノ・ソナタの
「月光」の第1楽章 もありますのと、マンドリン独奏曲に この曲と曲想が似ていると思われる サルコリ作曲の 「
月に向かいて」 という曲もあります。