きらきら星変奏曲 (モーツァルト作曲)
Ah ! Vous dirai-je,Maman (Mozart)
(ピアノ、6'32"、MP3 : 6.0MB)
(写真は オーストリア・ザルツブルグ:
モーツァルトの生家のある ゲトライデ通りの看板群 <スライドショー>)
モーツァルト (1756-1791) が 22才の 1778年に、当時 フランスで流行していた シャンソンの 「Ah! Vous dirai-je, Maman (ねえ!言わせてお母さん)」 を主題として作曲された変奏曲。 日本では 「きらきら光る お空の星よ、...」 の歌詞の 「きらきら星」 の歌で知られているところから、この変奏曲も日本では専ら 「きらきら星変奏曲」 の曲名で親しまれています。 原曲を英語の 「Twinkle, twinkle, little star....」 の歌詞の 「The Star」、あるいは 「A・B・C・D・E・F・G,....」 の歌詞の 「ABCの歌 (Alphabet Song)」 などでよく歌っていたという方も多いのではないでしょうか。ハ長調、4分の2拍子。 冒頭の主題の後、変化に富んだ 12の変奏が続きます。 主題に始まる快活な雰囲気の中で第5、第8、第11変奏などの弱音の部分とその前後との対比の素晴らしさ、そして弱音から強音への盛り上がり、最後の方の激しさなどが特に聴き所と思います。 なお主題は 8小節ずつの a・b・a から成る 計24小節の短い 3部形式で、各変奏とも前段の a、後段の ba 各々に繰り返しがありますが、ここでは省略しています。第1変奏 (この演奏で 0'25" から) は、高音が細かい 16分音符。 第2変奏 (0'48" 〜) では、やや力を増し、低音の方が細かい 16分音符になります。
第3変奏 (1'12" 〜) では、力強さを保って、高音が 8分3連音符になります。 第4変奏 (1'36" 〜) では、低音の方が 8分3連音符になります。第5変奏 (2'00" 〜) では、弱音になって密やかな雰囲気となるものの、音符が弾んで、一人愉しむといった感じのものになります。
第6変奏 (2'25" 〜) では、 a・b・a 各々の部分とも細かい 16分音符の低音の上を 切れの良い主題の旋律が次第に力を増していきます。
第7変奏 (2'48" 〜) では、力を増した勢いで強音の 16分音符が駆け上がり、そして躍動します。
第8変奏 (3'12" 〜) になると、一転して ハ短調の寂しく物憂い雰囲気に支配されます。第9変奏 (3'44" 〜) では、長調に戻るものの、前の雰囲気を引きずってか、弱音で静かに立ち上がり、強音で引き締めます。
第10変奏 (4'10" 〜) では、a・b・a 各々の部分とも弱音の細かい音型が力を増して、激しく盛り上がっていきます。
第11変奏 (4'34" 〜) になると、物思いをするかのような、抒情的な雰囲気となります。
第12変奏 (5'37" 〜) になると、激しく細かい低音の上で高音が力強く進行し、高音も低音もうごめくような動きになった後、さらに力強さを増して、激しさの中で終わります。"余談中の余談" と言うべき余談。 ...写真の看板の中に マクドナルドの看板がありますが、これを見ると、こうした看板もこの曲のように過去の遺物ではなく現代に生きているものなんだと実感されます。名曲を主題にした変奏では、当サイトには ムニエルの 「ヴェニスの謝肉祭」、ステックメストの 「歌の翼」 による幻想曲、池宮の 「野ばら」、そして ギター曲で、ジャコブスによる 「ヴェニスの謝肉祭」、ジュリアーニの 「庭の千草」、ヘンデルの主題による変奏曲、ソルの モーツァルトの主題による変奏曲、パイジェルロの主題による幻想曲、があります。