「夏の夜の夢」 より 夜想曲 (メンデルスゾーン作曲)
Notturno from "A Midsummer Night's Dream" (Mendelssohn)
(管弦楽、5'47"、MP3 : 5.3MB)
(写真は 北海道: 夕闇迫る洞爺湖)
メンデルスゾーン (1809-1847) が プロイセン王の求めに応じて 1843年に書いた、有名な シェークスピア (1564-1616) の 戯曲: 「夏の夜の夢」 の付帯音楽の中の 第3幕と 第4幕の間の間奏曲。 柔らかで心地よい夜の帳 (とばり) に包まれながら、熱いものがこみ上げてくるといった印象の名曲で、組曲ではこの曲のすぐ後に有名な 「結婚行進曲」 (第4幕と 第5幕の間の間奏曲) が続きます。ホ長調、4分の3拍子。 基本的に 3部形式 の構成で、ホルンと ファゴットによる静かで温かみのある夜の気配が広がり、ヴァイオリンによる高音で涼しげな気が降りて夜が深まりつつある中、中間部 (この演奏で 1'37"〜) で 身を焦がすような思いが昂じては 優しい微風にそよぐ木々の子守歌が なだめている ( ...さしずめ、夜気は 25℃から 20℃に、体温の方は 36℃から 38℃に (!?)、といったところでしょうか)。 そして再び (3'18"〜) ホルンなどによる森の夜の穏やかな黒い塊が移り行き、朝を迎えます。...この間奏曲は二組の カップルが妖精の魔法にかかって、各々森の中で眠りにおちるというものですが、私が テレビから録った パシフィック・ノースウェスト・バレエ団の バレエの ビデオでは、魔法にかかってしまった妖精の女王:ティターニアが やはり魔法で村人が変身させられた ロバに恋して、それを相手に踊る滑稽な場面で演奏されていましたが、それはそれで幻想的で ほのぼのとした印象のものでした。なお、この戯曲名は昔は専ら 「真夏の夜の夢」 でしたが、"Midsummer" は "夏至の頃" の意味で、"盛夏の頃" とは異なるというところから、最近では 「夏の夜の夢」 といわれる方が多くなっています。