序曲 「ミルタリア」 (マチョッキ作曲)
Overture "Myrthalia" (Machiocchi)
(マンドリン・アンサンブル演奏 (Mandoln1.2,Mandola,Guitar)、5'59"、MP3 5.5MB)
(写真は ギリシャ中部の山にて)
"ミルタリア" とは ミルテの花咲く土地の意だそうで、"ミルテの花" は 地中海沿岸が原産の 愛と美の シンボルといわれる 銀梅花 (ギンバイカ)。 ドイツでは 結婚式の飾りに使われるなどして "お祝いの木" とも呼ばれていて、音楽では シューマンの歌曲集の 「ミルテの花」 などでも知られています。マチョッキ のこの曲に愛着をもつ マンドリニストが多いようですが、それは、一種の "桃源郷" というか、理想郷のようなものを現しているからなのでしょうか。 ...それとも、遥か遠く離れてしまった、そうした良き時代、あるいは土地を思いやるといった雰囲気をもった曲だからでしょうか。 ...そうした意味では フォクトの 「過去への礼賛」 に共通するものがあるのかも知れません。ニ長調のこの曲は、先ず ホ長調、4分の4拍子、アンダンテ で、遠くへ思いを馳せるような静かな序奏が マンドラ から マンドリンへ 2度引き継がれた後、(この演奏で 1'18"〜) イ長調、4分の3拍子に入ってからはマンドリンの ピアニッシモ で細かく上下する音型を バックに マンドラが思いのこもった旋律を歌い、 (1'57"〜) それをそのまま マンドリンが引き継いだと思うや、(2'41"〜) ニ長調、4分の4拍子、アレグロ となって、ギターの 和音の キザミに急かされるように軽快さをもって走り出します。 後半 (4'10"〜) は 4分の2拍子、アレグレット で、マンドリンの スタッカート で ステップを踏んだ後、 (5'12"〜) 4分の3拍子、力強さをもった グラディオーソ で輝かしく終わります。