歌劇 「カルメン」 より 「闘牛士の歌」 (ビゼー作曲)
"Chanson du Toréador" from "Carmen" (Bizet)
(マンドリン・アンサンブル、4'49”、MP3 : 4.5MB)
(写真は スペイン; ロンダの闘牛場入口)
サッカー競技の テレビ番組などでよく聞こえてくる皆さんお馴染みの曲で、今回、フラジル・リオデジャネイロでの オリンピック大会も近づいてきているところから Upさせていただきました (2016.6.4.記)。この歌は、花形闘牛士の エスカミーリョが軍人達から闘牛場での勝利の乾杯を受け、そのお返しに歌う、内容的には いわば手柄話に近いような歌で、真面目な伍長であった ドン・ホセを誘惑した カルメンが後にこの エスカミーリョに心変わりした、その火種となった歌です。4分の4拍子で、この編曲は ホ長調。 曲の構成は、序奏の後、ここでは マンドラ が奏いている エスカミーリョによる独唱の A1, A2、 声をひそめた A3、そして行進曲風の B1、さらにそれに呼応した歓呼の合唱 B2 と続き (1番)、それが最初から繰り返され(2番)、そして歓呼の力強さを保った後奏で終わります。エスカミーリョ役としては、カルメン役が ミゲネス・ジョンソン、ドン・ホセ役が プラシード・ドミンゴの ビデオ映画の中で、背が高く自信満々で ちょっと クセのありそうな イケメン闘牛士として歌った ルッジェロ・ライモンディ (1941 - ) が ピッタリで、 その歌の声質、力強さ、キレの良さなども秀逸だと思います。
< 歌詞邦訳 >1.(A1) 軍人の皆さんの乾杯にお返ししよう。闘牛士も軍人も戦い好きだから!
(A2) 祭りの日、闘牛場は上から下から満員だ。 見物人は我を忘れ大騒ぎでどよめく。
(A3) わめき、叫び、熱狂し、興奮の渦。 それは誇り高き勇士の祭典。
(B1) さあ、身構えろ、いざ! トレアドール (闘牛士)よ、身構えろ、トレアドールよ!
戦いながらも心に留めよ、お前を見つめる黒い瞳。恋が待っているぞ、恋がお前を待っている。
(B2 合唱) ((B1) に同じ)2.(A1) 急に場内が静まり返る。 どうした? 騒ぎがおさまったその時、牛が囲いから飛び出した。
(A2) 突進し、突きかかってくる。 馬が倒れ、ピカドール (騎乗の闘牛士) が投げ出される。 見物人が怒鳴る、「牛は強いぞ!」。牛はまた突きかかる。
(A3) 刺さった槍を振り、怒涛の如く走る。あたりは血の海。 逃げ出す観客。 いよいよお前の出番だ。身構えろ。
(B1), (B2 合唱) (1番に同じ)。