Schubert : Symphony No.8 "Unfinished"

 

交響曲 第8番 「未完成」 (シューベルト作曲)

Symphony No.8 "Unfinished" (Schubert)

 

第 1 楽 章

(管弦楽、繰り返し省略 10'58"、MP3 : 10.0MB)
(写真は 2017.10.2. 鎌倉市で見た朝焼け)

第2楽章
第3楽章
  クラシック・ファンの人に 「最も美しい交響曲は?」 と尋ねると、多分 大方の人はこの曲と答えるであろう、抒情的で激しさのある中で美しさを失わない、多くの交響曲の中でも筆頭クラスに挙げられる名曲です。
 
  シューベルト (1797-1828) がこの曲の作曲に着手したのが 25才の時の 1822年。未完成状態の楽譜が発見されたのは その 44年後で、31才で亡くなった彼の死後からも 37年後の 1865年。 楽譜は 第2楽章まで完成しているものの、第3楽章は わずか 9小節の管弦楽とそれを含む ピアノ譜の スケッチに留まっており、それ故に 「未完成」 と呼ばれています。
 
  この 第1楽章は ソナタ形式で、ロ短調、4分の3拍子。 楽譜の冒頭には アレグロ・モデラート と記されています。
 
  チェロとベースによる ピアニシモ の暗く重い旋律に始まって、すぐ 第1主題(この演奏で 0'23"〜) が ヴァイオリンの細かい音の上で木管が奏する ロマンチックな旋律で提示されます。 第2主題(1'17"〜) は 穏やかな ト長調。 そして展開部は 3'22"〜、再現部は 6'28"〜、終結部は 9'43"〜、となっていて、曲冒頭 2小節の動機が全体に重要な役割を果たしています。 (なお楽譜には主題提示部に繰り返し記号がありますが、この演奏ではその繰り返しを省いています。)
 
  そして特に展開部の激しい動きには、一体何があったんだろうと思わせる すさまじさがあり、シューベルトらしい内向的な美観の極みといったものを感じさせるように思われます。 この曲は、短調で地を這うような暗い旋律で始まることもあって過酷な運命に翻弄されて打ちひしがれているといった印象もありますが、むしろそうした状況から立ち直ろうとする願望、あるいは "道は開ける" を信じて前向きの姿勢を貫こうとする意欲といったものを表現しているようにも思います。
 
  ...なおこの演奏に使用している ヤマハの XG音源 は音の切れ込みがきつく、なるべく いきなり物をぶつけたようにならないよう "柔らかい音" を心がけて だいぶ補正した積りですが、それでもまだ きつい感じのものになってしまっているようです。