宵 待 草

宵 待 草 (多 忠亮 作曲)
Yoimachigusa (Oono)
(マンドリン・アンサンブル (Mandoln1.2,Mandola,Guitar)、2'18"、MP3 : 2.1MB)
(写真は 岡山市 : 後楽園・流亭)
1. 待てど 暮らせど 来ぬひとを、
宵待草の やるせなさ。 ...
今宵は月の出ぬそうな。
2. 暮れて 河原に 星ひとつ、
宵待草の 花の露。 ...
更けては 風も 泣くそうな。
美人画で今でも人気の高い 竹久夢ニ (1884-1934) が 1913
(大正2) 年に発表した 処女詩集 「どんたく」 の中の詞に、宮内省雅楽部の ヴァイオリニストの 多忠亮 (
おおの ただすけ、1895-1929) が曲をつけたものです。 なお 2番の歌詞は後年、西条八十が付け加えたものです。
夕暮れ時に黄色い花咲かせ、朝にはしぼんでしまう 宵待草
(オオマツヨイグサ = 月見草ではないそうです) に託した やるせない思いが、いかにも "大正ロマン" というか "大正センチメンタリズム" を感じさせますね。
ホ短調、8分の6拍子。冒頭からいきなり オクターブ音が上がったり、"今宵は月の出ぬそうな" で テンポを落したり、など、感情の起伏が良く表された曲ですね。